こんにちは、医学生さやかです。
浪人の形態には、駿台や河合塾といった予備校に通う浪人、宅浪の他にも仮面浪人があります。
・仮面浪人のメリット・デメリット
・仮面浪人は打ち明けるべきか
・仮面浪人の成功率
・仮面浪人に成功する人の特徴
・仮面浪人のアドバイス
仮面浪人とは
希望する大学に進学できず滑り止めの大学に進学したものの、第一志望が諦めきれずに大学に通いながら受験勉強をすることを仮面浪人と言います。
なかには、「滑り止めに進学さえしていれば、休学して大学に通っていなくても仮面浪人だ」という考えの人もいますが、その場合実質的には予備校浪人や宅浪と変わらないのでこの記事では除外して話を進めていきます。
仮面浪人をするきっかけ
大半は親の意向が絡んでいる
進んで仮面浪人を選択する子供はほとんどおらず、大抵親の意向が反映されています。
親側からしてみれば、たとえ息子が受かったのが第2志望であったとしても「よし、進学先はなんとか確保できた。これで受験は終わるんだ」とホッと一息ついたところに「この結果には満足していないから第1志望を目指して浪人したい」と言われては焦るものです。
「来年も受かる保障なんてないのだから、第2志望に行きなさい!そんなに第1志望が諦めきれないなら、第2志望に通いながら受験すればいいじゃない」とつい言ってしまうかもしれません。
また、進学先があるのに蹴ると言われて腹が立って「浪人する費用は出さない!それでもいなら浪人しなさい!」と言われて渋々仮面を選択することもあります。
入学後、仮面浪人を決意することも
不本意ながら第2志望に合格しそこに進学することになったとして、入学段階ではこの大学で頑張ろうと思っていた人も、しばらくして周りの人間や授業のレベルの低さにショックを受けて仮面を決意することがあります。
また、大学に通って勉強しているうちに、自分が将来働きたい分野と今学んでいる分野に乖離があることに気がついて仮面浪人が始まることもあります。
仮面浪人のメリット
① 落ちた場合そのまま滑り止めに通い続けられる
こちらが仮面浪人の一番のメリットです。
例えば、現役の時に東大に落ちて慶應に進学し、仮面浪人を開始したとします。
仮面をして東大に不合格だった場合は、そのまま慶應に通えば経歴としては「現役慶應」になります。
もし、慶應を蹴って浪人し、また東大に落ちて慶應に受かった場合は「1浪慶應」になります。
最悪の場合、1浪したのに東大にも慶應にも落ちて2浪突入したり、MARCHに進学することも考えられます。
自分の経歴に穴がつかないのが仮面浪人のメリットです。
② 進学先に単位が引き継げることも
仮面先で大学の授業を受ける1番の理由は、落ちた場合に留年せずそのまま大学に通い続けるためですが、大学によっては仮面していた大学で取得していた単位を引き継げることもあります。
ただ、これには短所もあって、言語や体育の単位を引き継いで大学を乗り換えると、新しいい大学で友達を作るチャンスが減ることが想定されます。
③ 大学の授業が受験勉強で役立つことも
大学1年生で学ぶ内容は、高校内容との関連が強いです。
英語の授業はそのまま受験勉強になりますし、大学で学ぶテイラー展開、有機化学の電子論などは高校の理数の手助けになるでしょう。
週に1回90分の体育も受験勉強でなまった体を動かすにはちょうどいいかもしれません。
仮面浪人のデメリット
① 受験勉強の時間が減る
仮面浪人生は、大学の授業を受けて単位を取るためのテスト勉強をしなくてはいけないため、普通の浪人生に対して受験勉強に使うことができる時間が圧倒的に少ないです。
「日本の大学は入るのが難しく、出るのは簡単」などというのは過去の話で、今ではそれなりに試験対策をしないと単位が出ない試験ばかりです。
② 孤独になる
大学生というと、サークルに入ったり、バイトをしたり、友達と海に行ったり、恋人とデートに行ったりと忙しくも華やかな生活を送っているイメージですが、仮面浪人をする場合はそんな理想の大学生活とはほど遠い生活をすることになります。
ただでさえ自由な時間が少ないので、余計なことをしている暇はありません。
なるべく無駄を削ぎ落として受験勉強に集中しなくてはいけませんが、その結果孤独になります。
この孤独感に仮面中に耐えないといけないのはもちろんのこと、仮面したものの第一志望に不合格になった場合その孤独が継続する可能性が高いです。
なぜなら、仮面中の1年生のうちで友達を作らないでいると、2年生になってから新たに友達をつくるのは困難だからです。
2年生にもなると、仲良しグループが形成され遊ぶ友達は固定されているものです。
③ 仮面浪人は嫌われやすい
あなたが仮面をしようとしている滑り止めの大学には、第1志望として受験し合格した人が大勢います。
努力のすえ目標の大学にギリギリ受かった側からすれば、その大学で満足せず仮面をしている人には腹が立つこともあるでしょう。
自分の経歴をバカにされていると思われるかもしれません。
そのため、自分の通う大学で仮面浪人している人のことを不快に思ったり嫌ったりしてしまうのです。
仮面浪人は打ち明けるべきか
① 大学の友達
前述したように第一志望として入学してきた人たちのプライドを傷つけることになり、嫌われる原因となるので、仮面浪人していることは内緒にしましょう。
本当に信用できる友人、浪人経験者なら仮面浪人に理解を示してくれるかもしれませんが、推奨はしません。
私は、大学の友達には誰にも仮面の話はしていません。
② 家族
受かってからの報告でいいと思いますが、受験前に話しておけば受験のサポートに期待ができますし、何よりメンタルの安定につながります。
反対されることが目に見えている場合は黙って受験して、合格後話すことを推奨します。
受験直前に話して反対されると、勉強に集中できなくなるので打ち明けるならできるだけ早い方がいいです。
私は、理学部に通いながら受験した際は、仮面のことは親に内緒にしていました。
しかし、不合格だったので「これでは、だめだ」と思い、親に「医学部を受験したい。予備校に通って本気で勉強したいから、休学したい」と相談しました。
③ バイト先の人たち
仮面浪人のことをバイト先の人たちにわざわざ話す必要はありません。
ただし、冬は受験に専念するためにバイトのシフトを減らさざるを得なくなります。
店長や責任者に、バイトに入れない理由を聞かれた際は仮面のことを打ち明けてもよいでしょう。
④ 高校の友達
大学の広く薄い人間関係と違って、高校時代の友達はあなたのことをきちんと理解してくれるでしょう。
また、進学先が異なるので仮面していることにそこまで不快感を覚えることもありません。
高校の友達には仮面浪人をしていることを打ち明けてもよいでしょう。
特に、あなたが仮面してでも行きたい大学に今通っている高校の友達なら、歓迎してくれるでしょう。
⑤ 高校の担任
受験をするときに高校に調査書を取りに行かなくてはいけないので、高校の担任に仮面浪人のことを隠し通すのは不可能です。
打ち明けましょう。
まず反対されることはないでしょうし、担任個人が反対だったとしても、調査書を発行してと頼まれたら発行せざるを得ません。
仮面浪人は成功率がとても低い
あらゆる浪人形式のうち仮面浪人が最も困難と言えます。
なぜなら、単位を取るための勉強に時間を奪われ、誘惑がとても多いからです。
まわりの大学生が、カラオケに行ったりバーベキューを行ったり、恋人と旅行に行っているのを見ながら受験勉強をしなくてはなりません。
友達に誘われても、適当な理由をつくって断らなければなりません。
このような状況で受験勉強をすることは難しく、そもそも入試当日まで仮面浪人を続行すること自体が困難を極めます。
春の段階では仮面浪人を決意している人はそれなりにいても、夏休みにもなると大部分が脱落してしまいます。
浪人ツイッタラーとして、仮面浪人生を観察していた経験上、受験当日まで仮面を貫くことができるのは、30%ほどです。
そして、仮面をした結果第一志望に合格できるのは10%以下にまで絞られます。
理系の方が仮面浪人は難しい
文系の大学での講義内容は、大教室で教授が1人で解説し続けるものが中心です。
そのため、後ろの方に座れば内職も容易にできます。
理系の大学では、少人数でのグループでの実験が課されていることがしばしばあり、他ごとをする余裕はありません。
また、理系の授業の方が取らないといけない授業が多いので、受験勉強の時間が減ってしまいます。
そのため、理系の方が文系よりも仮面浪人を成功させることは難しいといえます。
仮面浪人が成功しやすい人の特徴
① 第1志望にはギリギリ不合格だった
10%も受からない仮面浪人ですが、受かる人には共通点があります。
1つ目は、模試ではA判定を連発していたが、第1志望にあと数点足りずに落ちてしまったという点です。
仮面浪人は受験勉強の時間が全然取れないので、仮面中の成績アップには期待できません。
仮面前の成績を維持することすら難しいです。
そのため、「仮に不合格になった時の成績で受験し直したとしても受かる可能性が高い」くらいの人でないとなかなか仮面浪人で成功することはありません。
② 強い学歴コンプレックスを抱えている
SNSで仮面浪人生を観察していて気がついたのですが、仮面に成功した人たちは強烈な学歴コンプレックスを抱えている割合が高かったです。
学歴の序列に異常な執着心があり、仮面先の人たちを馬鹿にするようなツイートさえしていました。
彼らは人間的には大きな問題がありますが、それくらいの負のエネルギーがないと、仮面浪人をやりきれないのでしょう。
【結論】仮面浪人はやめた方がいい
経験者としてはっきり言いますが、仮面浪人はやめた方がいいです。
せっかく大学に入ったのに、一人で受験勉強をするのは尋常でないストレスがかかります。
滑り止めを確保している安心感なんてあってないようなものです。
そこまでして、仮面浪人をするくらいなら大学生活を謳歌しつつ、TOEICや大学内容の勉強を頑張って、就活を有利に進めたり、大学院でステップアップした方がいいです。
それでも仮面浪人をする場合のアドバイス
デメリットが大きく私としては推奨しない仮面浪人ですが、それでも仮面浪人をする人はいるでしょう。
そんな人のために、仮面経験者として私が、仮面浪人する場合のアドバイスを記します。
① サークルには参加しない
大学の授業を受けてテスト勉強をするだけでも受験勉強の時間は大幅に削られてしまいますから、サークルに参加するのはおすすめできません。
大学生のサークル活動では、深夜になっても遊んでいることが多々あり、生活リズムが崩れる原因にもなってしまいます。
② 単位取得は前期中心、後期は受験中心
後期の大学の試験は、共通テストや2次試験と被っていることが多々あり、まともに勉強ができません。
そのため、進級に問題ないだけの単位を取りつつ、受験への負担を小さくするためには、前期のうちにたくさん単位を取って、後期は受験勉強に専念できる状態にした方がいいです。
③ 仮面浪人していることは内緒にする
仮面浪人は白い目で見られがちなので、周りには内緒にしておいた方がいいです。
落ちてたらしれっと何事もなかったように大学に通い続ければいいですし、合格した場合は「実は俺仮面してて、来年から別のところ行くんだよね」と友達に伝えれば十分でしょう。
④ 仮面浪人仲間を探す
そもそも1年仮面浪人を仕切って受験にたどり着くことすら難しいのが、仮面浪人です。
そのため、同じ目標を掲げている仲間を探すといいでしょう。
ツイッターでハンドルネームを使えば、周りに仮面バレすることなく、自分の大学で仮面をしている人を探すことができます。
⑤ 先人たちの経験から学ぼう
あまり、仮面浪人をしていることを大っぴらにしている人がいないからこそ、仮面浪人経験者の話は貴重で価値があります。
インターネットで体験談を漁るのもいいですが、「仮面浪人の教科書」という本を1冊買うことがおすすめです。
この本には、仮面浪人経験者17人による、悩み別実例集と書き込み式ワークシートが収録されています。
「親を説得するにはどうしたらいいんだろう」「仮面浪人するか悩んでいる」といったケースごとの対応策や、仮面浪人の人がやらなくてはいけない手続きが掲載されているので、あると便利な一冊です。
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