文系理系問わず、大学入試で大きな鍵を握るのが英語です。
・試行調査の問題って解いた方がいいの?
・センター過去問って色々な出版社が出しているけどどれをやればいいの?
・そもそもセンターの過去問をやる必要ってある?
・共通テストはどれがおすすめ?
・共通テスト対策の問題集ルートが知りたい
今回の記事では、そのような考えを持っている受験生のために共通テストの英語(リーディング・リスニング)の対策におすすめの参考書とルートを紹介していきます。
センター試験・試行調査(プレテスト)過去問


赤本(共通テスト問題研究)
リーディング収録情報
センター本試験 | 8回(2013~2020) |
センター追試験 | 2回(2018, 2019) |
共通テスト試行調査 | 2回(2017, 2018) |
共通テスト予想問題 | 2回 |
合計回数 | 14回 |
リスニング収録情報
センター本試験 | 5回(2016~2020) |
センター追試験 | 1回(2019) |
共通テスト試行調査 | 2回(2017, 2018) |
共通テスト予想問題 | 2回 |
合計回数 | 10回 |
赤本のいいところは1冊でやれる回数が多いところです。
特に、リスニングが10回分も収録されているのは他の過去問集にはない強みです。



以上の点から、英語のセンター過去問集は赤本が一番おすすめです。
青本(共通テスト対策問題集センター試験過去問編)
リーディング収録情報
センター本試験 | 5回(2016~2020) |
センター追試験 | 3回(2017~2019) |
共通テスト試行問題 | 2回(2017, 2018) |
共通テスト予想問題 | 0回 |
合計回数 | 10回 |
リスニング収録情報
2回(2018試行調査、2020本試験)
他と違い、問題集の大きさが実際のセンター試験の問題用紙に近いというメリットはありますが、軽いメモ程度の書き込みしかしないのであまり関係ないです。
解答解説を作っているのが駿台の人気講師だという強みが一応はあるのですが、英語に関して言えば関西英語科のGOD竹岡広信先生が面白いほど点数がとれる本を出しているので、講師目当てでもそっちをやった方がいいです。
黒本(大学入学共通テスト攻略レビュー)
センター本試験 | 6回(2015~2020) |
センター追試験 | 0回 |
共通テスト試行調査 | 1(2018) |
共通テスト予想問題 | 0回 |
合計回数 | 7回 |
解説が丁寧というのが黒本の売りですが、共通テストの試行調査が1回分しかないのが大きくマイナスです。
大学入学共通テスト英語の点数が面白いほどとれる本
センター試験の過去問と共通テストの試行調査から良問を厳選して収録されています。
私は以前、これのセンター試験バージョンをやっていましたが、既にある程度力のある人がノーミスを目指すための本という位置付けでそれは今も変わっていません。
そのため、簡単な部分の問題は省略され、上位層でも間違いが多かったところを中心に扱っている傾向があります。
センター試験の選択肢作りの巧妙さが学べる本で、センター試験英語で差が出る問題がどういう点で難易度を上げているのかがよくわかります。
そのため、正答率が低くなるであろう設問を試験中に見抜き、そこに時間を割いて間違いを減らせるようになるのです。

大学入学共通テスト英語が一冊でしっかりわかる本
これ一冊でリーディングとリスニングの両方の対策ができます。
スタディサプリの人気講師、関先生が書いているのでとてもわかりやすいです。
試行調査2回を徹底分析しています。
カラーと枠組みで解答根拠の部分を示しているのでどこを読めば正解に辿りつくかとてもわかりやすいです。
他の試行調査の解説本と違って、これから先にどのような対策をとればいいか書いてあるので学習の指針が定まります。
各大問のテーマごとに頻出の表現がまとめられているので、ただの試行調査の問題を解いてそれで終わりではなく、別の問題に当たった場合でも役に立つ知識を得ることができます。

共通テストの対策参考書
共通テストの実践的な予想問題集をやる前の基礎固めにおすすめの参考書を集めてみました。
大学入学共通テスト英語 実戦対策問題集
こちらは共通テストの各大問ごとの予想問題を2種類解いていくスタイルです。
解説は丁寧でわかりやすく、いきなり試行調査を解くことが不安な人にもおすすめです。
最後の予想模試1回分があります。
ハイスコア! 共通テスト攻略 英語
2018年の試行調査の問題を9つの章に分けて、その解説と類似した問題1つのセットで構成されています。
最後に模試形式で1題ついています。
解法のパターン化ができるのがこの問題集のメリットです。
きめる! 共通テスト英語
リーディングの方は福崎先生が書いており、1章で2018年のプレテストの解説&分析をした後、2章では共通テストの読解に必要な20のスキルを類題を解きながら身につけ、3章で対策模試を1題解く構成です。
20のスキルにはテクニックの類も含まれていますが、語り口調であったり学生どうしの対話形式を取っているので英語が苦手な人でも取り組みやすいです。
リスニングは2018年のプレテストの解説と予想問題1回分が収録されています。
値段を考えると量が少なく割高といえます。
リーディングは悪くないのですが、別でリスニング対策をしなければならないことを考えるときめるシリーズはやめておいた方がいいかもしれません。
共通テストの予想問題集
共通テスト総合問題集(河合塾)
リーディングはオリジナルの予想問題が4回分、2019年全統共通テスト高2模試、2018の試行調査が収録されています。
模試の過去問は高校2年に向けて作られているので難易度は低く、試行調査は実戦問題集に入る前に別の参考書で解いているはずなのでまともな問題は4回分です。
リスニングは2019年全統共通テスト高2模試と2018の試行調査が収録されています。


共通テスト対策問題集 マーク式実戦問題編(駿台)
リーディングは試行調査2回分と、オリジナル予想問題1回、残りは模試の過去問4回分が収録されています。
この模試の過去問に致命的な問題があり、すべて「センター型」の模試になっています。
共通テストの形式になっていません。


リスニングも同じようにセンター型の模試の使い回しが多用されています。
今年は駿台の実戦問題集はやめておきましょう。
共通テスト実戦模試(Z会)
リーディングはオリジナル問題6回とプレテスト1回、リスニングはオリジナル問題5回とプレテスト1回で構成されています。
これは他の実戦問題集よりも多く、中身もプレテストの形式を意識して作ってあるのが伝わります。
共通テスト対策の参考書ルート作成のポイント
今までは、共通テストの対策に使う参考書の紹介をしていきましたが、全ての本をやるほどの時間はありませんよね?
そこで参考書を絞ってやっていくことになるのですが、組み合わせ方や順序を工夫することで効率よく英語の成績を伸ばしていくことができます。
ここからはそのための参考書ルート作成の際に押さえておきたいポイントを紹介します。
① 試行調査(プレテスト)の問題は2年分解く
ここまで記事を読んでくれた方はよくわかると思うのですが、試行調査を収録してある参考書の中には2018年だけのものが結構あります。
プレテストは2回しか全部でなく、次の共通試験を予想する上でとても価値のある問題です。
参考書ルートを通して2017年の問題も解けるようにしておきましょう。
② リスニングもリーディングと同じだけ問題を解く
今までのセンター試験のための学習では、基本は筆記の勉強をしてたまにリスニングというバランスでOKでした。
しかし、共通テストではリスニングがリーディングと同じ配点になったためリスニングを軽視するわけにはいかなくなりました。
配点が同じ以上、解く問題数も同じにするのが妥当な学習バランスでしょう。
参考書ではいまだにリーディングの方が問題数が多くなりがちなので、適宜リスニングだけの参考書を追加することで調整しましょう。
③ センター試験の過去問を大事にする
センター本試験は問題作成グループが1年吟味して作った珠玉の問題たちです。
共通テスト対策模試とはかけた手間と時間が違います。
文法問題や発音アクセントをやる必要はありませんが、センター本試験の読解パートは是非やりましょう。
共通テスト対策の参考書ルート
英語が苦手な人向きルート
大学入学共通テスト英語が一冊でしっかりわかる本
↓
赤本(共通テスト問題研究)
↓
大学入試共通テスト英語 実戦対策問題集
↓
共通テスト実戦模試(Z会)
まず、試行調査を関先生のもので解いて現状を把握しつつ問題の分析をします。
次に赤本で本試験をリーディング・リスニングともに5年分解きます。
それが終われば、共通テスト予想問題を2回分解きます。
本試験、追試験が残っていますがセンターの過去問ばかりやるわけにもいかないので、共通テスト対策に移ります。
旺文社の実戦対策問題集で、共通テストの大問ごとの解答法を学んでいきます。
仕上げにZ会の予想問題を全て解いてこちらのルートは完成です。
英語が得意な人向きルート
大学入学共通テスト英語が一冊でしっかりわかる本
↓
大学入学共通テスト英語の点数が面白いほど解ける本
↓
共通テスト実戦模試(Z会)
こちらのルートも同じように関先生の本で試行調査を2回解いておきます。
その後、面白いほどでセンター過去問から一歩上の読解法を学びます。
面白いほどで学んだ読解法を生かしてZ会の実戦模試を解いていきます。
その後は、試行調査の被りやセンター過去問の使い回しがあるものの他の実戦模試をやりましょう。
英語が得意な人は、丁寧な解説書や読解法の本をやるのは必要最小限にとどめ、共通テスト本番の形式の問題をたくさん解きましょう。
まとめ
センター試験からの移行過程にあるため共通テスト対策の参考書は、玉石混交です。
それでも、この記事を読んだことでどれがいい参考書なのかわかったのではないでしょうか。
英語が得意な人でも、きちんと共通テスト対策をしないと足元をすくわれることがありますので、全員共通テスト対策はしっかりやりましょう。